海のはじまりロケ地。夏君と弥生さんが別れた駅は小田急経堂駅です!
あの日、弥生さんが僕の家に来たとき、何かが変わるという予感がしていました。彼女の表情には、いつもとは違う決意のようなものが見えたんです。
弥生さんは、最初は3人で一緒にいることに何の不満もなかったと言いました。でも、次第に水季の存在を感じるようになったと。僕が「水季」と言うたび、海が「ママ」と呼ぶたび、弥生さんの中で何かが積み重なっていったそうです。うらやましさや悔しさ、そういった感情が少しずつ膨らんでいったんだと思います。
正直、僕にはその気持ちが完全には理解できませんでした。でも、弥生さんの涙ながらの告白を聞いていると、彼女がどれほど苦しんでいたかが伝わってきて、胸が締め付けられるような思いでした。
弥生さんは、僕と海のことは好きだけど、一緒にいると自分が嫌いになると言いました。そして、「海ちゃんのお母さんにはならない。月岡くんとは別れたい」という言葉を聞いたとき、僕の中で何かが崩れ落ちるような感覚がありました。
でも、僕にはもう選択肢がありませんでした。「3人が無理なら、どちらか選ばなきゃいけないなら、海ちゃんを選ぶ」と答えるしかなかったんです。それは僕の責任であり、海への約束でもあったから。
弥生さんは、自分を選んだんだと言いました。好きな人と離れても自分が納得できる人生と、辛い気持ちのまま2人のために生きる人生、どちらを選ぶかを考えて、自分を選んだと。その言葉を聞いて、僕は弥生さんの強さを感じると同時に、自分たちの関係がもう戻れないところまで来てしまったことを痛感しました。
最後に弥生さんを駅まで送るとき、僕の中では様々な感情が渦巻いていました。手をつないで歩きながら、何気ない会話をする。それが僕たちの最後の時間になるなんて、信じられませんでした。
電車が来て、弥生さんが乗り込もうとしたとき、僕は思わず「俺やっぱり弥生さんのこと…」と言いかけました。でも、弥生さんは「がんばれ」と言って、僕の手を離しました。その瞬間、僕の中で何かが砕け散るような感覚がありました。
弥生さんが最後に「がんばれパパ。応援してる」と言ってくれたとき、僕は涙をこらえるのに必死でした。電車が発車して、弥生さんの姿が見えなくなったとき、僕はようやく涙を流しました。駅のホームで、今までに感じたことのないような悲しみと喪失感に襲われたんです。
あの日以来、僕の中で何かが変わりました。海との生活を続けていくという決意は変わりませんが、弥生さんとの別れは僕の心に大きな傷跡を残しました。それでも、南雲家に行って朱音さんに「2人で暮らしたい」と伝えたとき、僕は自分の決断に間違いはないと信じていました。
海を一番大切にすると約束しましたが、同時に弥生さんのことも忘れられない。これからの人生で、この複雑な思いとどう向き合っていけばいいのか、まだ答えは見つかっていません。でも、海のためにも、自分のためにも、前を向いて歩んでいくしかないんです。それが、弥生さんへの最後の約束でもあるのだから。
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