目次
ライオンの隠れ家9話ネタバレあらすじ!
僕たちは、ライオンと愛生姉さんに2人きりの時間を与えるつもりだった。
美路人と一緒に買い物に出かけたのは、母子の再会を邪魔しないためだ。でも、戻ってきた部屋は無残にも荒らされていて、2人の姿はどこにもなかった。
あの部屋の惨状を目にした瞬間、全身の血が凍る思いがした。机は倒され、引き出しは開け放たれ、布団は散乱していた。そこには明らかな争いの跡が残されていて、最悪の事態を想像せずにはいられなかった。
祥吾さん…。あの人が見つけたのか。でも、どうやって?僕たちは細心の注意を払ってきたはずなのに。
隣では美路人が、突然の出来事に戸惑い、混乱している。弟の目に映る不安と困惑を見るたびに、胸が締め付けられる。特に、ライオンが別れも告げずいなくなったことを受け入れられない様子を見ているのが辛い。
「これを一緒に届けに行こう!」
ライオンが置いていったぬいぐるみを手に取りながら、必死に明るく声をかけた。美路人を説得するための言葉だったけど、同時に自分自身を奮い立たせるためでもあった。
橘家まで行ってみたものの、そこにも2人の姿はなく、行き場を失った僕たちは結局、小森家に戻るしかなかった。
この数週間で築き上げてきた新しい家族の形が、まるで砂の城のように崩れていく。でも、諦めるわけにはいかない。姉さんとライオン、2人はきっとどこかで僕たちを待っているはずだ。
そう信じたい。そう信じなければ、この重苦しい現実に押しつぶされそうだから。
でも、姉さんが祥吾さんと会っているなんて…。この先、どんな展開が待ち受けているのか、考えるだけで胸が痛む。ただ、僕にできることは、美路人を守りながら、2人を探し続けることだけ。
それが、たとえどれほど困難な道のりになったとしても。