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【光る君へネタバレ33話】あらすじを道長の語りでお送りします

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光る君へネタバレ33話あらすじを道長の語りでお送りします

私、藤原道長は、寛弘三年の夏を迎え、世の中の動きに目が離せない日々を送っていた。摂政として朝廷の実権を握る身でありながら、常に不安と緊張が付きまとう。特に近頃は、一条帝の心が藤原伊周に傾きつつあることが最大の懸案事項であった。

我が娘彰子は中宮の座にあるものの、未だ皇子に恵まれず、そのことが帝の心を遠ざけているのではないかと危惧していた。一方で伊周は、敦康親王の後見を狙っているようだ。もし彰子がこのまま皇子を産まなければ、伊周が権力を握る可能性も否定できない。そんな中で、一筋の光明となったのが、まひろという女房の存在だった。

まひろは、一条帝のために物語を書いている。彼女の才能を知った私は、この物語で帝の心を掴もうと考えた。それは賭けのようなものだったが、他に打つ手は見当たらなかった。

「帝は、続きができたらお前に会いたいと仰せだ。お気持ちが変わらぬ前に続きが欲しい。お前の才で帝を藤壺に・・・・・・頼む・・・・・・」

私はまひろにそう懇願した。彼女は一度実家に戻って執筆したいと申し出たが、私はしぶしぶそれを認めた。彼女の才能を信じ、賭けに出るしかなかったのだ。

幸いにも、帝はその物語に心を奪われたようだった。寛弘三年五月、まひろが物語の続きを持って戻ってきた時、帝は藤壺にまで足を運んで彼女に会おうとした。その場に同席した私は、帝の目の輝きを見逃さなかった。

「光る君」と名付けられた主人公に、帝は自身を重ね合わせているようだった。帝がまひろに、なぜこの物語に心を捉えられたのかと尋ねた時、彼女の答えは印象的だった。

「やまとびとの心を映すには、かなこそがふさわしいのだと、私は考えます」

その言葉に、帝も深く頷いていた。私は安堵のあまり、まひろへの褒美として、彼女と「三郎」が川辺で出会った際の様子を描いた扇を贈った。この扇には、まひろの才能を認めるとともに、彼女の過去を知っているという私からの密かな메시지も込められていた。

しかし、この平穏は長くは続かなかった。七月に入り、土御門殿に興福寺の別当・定澄が訪れてきたのだ。彼の言葉は、まるで雷のように私の耳を打った。

「興福寺の僧兵三千人が木幡山に集まっております。我らの訴えをお聞き入れくださらねば、この屋敷を取り囲み、焼き払いたてまつります」

私は動揺を悟られまいと、定澄をじっと見据えた。心の中では様々な思いが渦巻いていた。興福寺は南都の中心的存在であり、その影響力は計り知れない。彼らの要求を簡単に退けるわけにはいかないが、かといって脅迫に屈するわけにもいかない。朝廷の権威が問われかねない危機的状況だった。

「・・・・・・やれるものならやってみよ」

私は毅然とした態度でそう返した。表面上は冷静を装ったが、内心は決して穏やかではなかった。この一言で定澄を追い返したものの、事態が収まるとは到底思えなかった。

案の定、翌日には事態が急転直下した。私が急ぎ陣定を開き、この事態への対応を協議していた最中、朝堂院に興福寺の僧兵が押し寄せているとの知らせが入ったのだ。

私の頭の中では、様々な思いが駆け巡った。この危機をどう乗り越えるか。朝廷の権威を守りつつ、興福寺との全面対決は避けたい。かといって、彼らの要求をそのまま呑むわけにもいかない。バランスが肝要だ。

同時に、この危機を自らの立場強化の好機と捉える冷静さも忘れなかった。危機は常に機会でもある。興福寺の暴挙を上手く利用すれば、朝廷内での私の発言力をさらに高められるかもしれない。

「諸卿、今こそ我らが団結して事に当たるべき時だ。朝廷の威厳を示すと同時に、興福寺の訴えにも耳を傾ける。そのバランスが肝要だ」

私は静かに、しかし力強く語りかけた。周りの公卿たちの顔には不安の色が濃かったが、私の言葉に少しずつ頷き始めている。

これから先の道のりは決して平坦ではないだろう。興福寺との交渉、朝廷内での駆け引き、そして一条帝の心を繋ぎとめること。全てが難題だ。しかし、私にはまだ多くの切り札がある。まひろの物語もその一つだ。

世の中の荒波に揉まれながらも、常に先を読み、権力を掌握し続けること。それこそが、藤原道長たる私の使命であり、また生き甲斐でもある。この危機を乗り越え、さらなる高みへと上り詰めてみせよう。それが、私の決意であり、覚悟でもあるのだ。

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