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【振り返れば奴がいる】ネタバレあらすじ1話〜最終回までを振り返る!

目次

【振り返れば奴がいる】ネタバレあらすじ第1話「お前が嫌いだ」

司馬の語りで

俺は司馬。天真楼病院の外科医だ。腕は確かだが、世間の連中からは傲慢だと言われている。まあ、どうでもいいことだ。

あの日も、いつも通り手術を終えて、研修医の前野、麻酔医の大槻、それに患者の笹岡と一緒に麻雀をしていた。外科部長の中川は、またどこかの製薬会社の接待だろう。俺たちに当直を押し付けて、さっさと出て行きやがった。

そんな時だ。交通事故の患者が運び込まれてきたらしい。峰という研修医が、アメリカから来たばかりの新任医師、確か石川とかいったか、そいつに手術を頼んだそうだ。

ところが、そのタイミングで入院中のガン患者の容態が急変した。もう一つの手術が必要になったわけだ。峰は俺に手術を頼みに来た。

「司馬先生、お願いします!」

俺は冷ややかに峰を見下ろした。「なんだよ、せっかくの麻雀を邪魔しやがって」

結局、俺は手術室に向かった。だが、そこで見たのは、必死に手術をする石川の姿だった。なるほど、こいつが噂の新任医師か。

手術が終わり、石川が安堵の表情を浮かべた瞬間、俺は冷たく言い放った。「おい、新人。患者の命より自分の都合を優先するなんて、医者失格だぞ」

石川は驚いた顔で俺を見た。そして、激しく抗議してきた。「何を言っているんですか!患者の命を救うために全力を尽くしたんです!」

俺は薄く笑った。「へえ、正義漢かい?でもな、この病院では通用しないぜ」

こうして、俺と石川の確執が始まった。正義だの、患者第一だの、そんな綺麗事を振りかざす奴は大嫌いだ。この病院で生き残りたければ、もっと現実を見ろってんだ。

まあいい。これからどんな茶番が繰り広げられるか、楽しみじゃないか。俺、司馬江太郎が、徹底的にたたきのめしてやる。正義なんて、この病院じゃ何の価値もないってことを、身をもって教えてやるぜ。

石川の語りで

僕は石川玄。アメリカのカンザス大学から天真楼病院に赴任してきたばかりの外科医だ。理想に燃える医師として、患者のために全力を尽くす覚悟で、この病院にやってきた。

初日から、この病院の雰囲気に違和感を覚えた。特に、司馬という外科医の存在が際立っていた。彼の腕は確かに素晴らしいが、その傲慢な態度と冷酷な判断には腹が立った。

夜勤で、僕は峰先生という研修医と出会った。彼女は不安そうで、心細げだった。

そんな時、交通事故の患者が運び込まれてきた。緊急手術が必要だと判断し、すぐに準備に取り掛かった。

しかし、同時に別の患者の容態が急変した。峰先生は困惑し、司馬に助けを求めに行った。だが、司馬は麻雀に興じており、患者を見捨てるような発言をした。僕は怒りに震えた。

迷う時間はなかった。僕は交通事故の患者の手術を始めた。必死に命と向き合い、全神経を集中させて手術を進めた。汗を拭う暇もなく、時間との戦いだった。

手術が終わり、ほっとした瞬間、司馬が現れた。彼の冷ややかな目つきと皮肉な言葉に、僕は激しい憤りを感じた。患者の命よりも自分の都合を優先する彼の姿勢に、医師としてあるまじき行為だと強く抗議した。

その日から、僕と司馬の確執が始まった。彼の非人道的な態度を正そうと、僕は決意を固めた。この病院で、患者のために全力を尽くす真の医療を実践しようと心に誓ったのだ。

これが、僕の天真楼病院での戦いの始まりだった。正義と情熱を胸に、医師としての使命を全うするため、僕はこれからも闘い続ける。

【振り返れば奴がいる】ネタバレあらすじ第2話「おまえのせいだ」

僕は石川。天真楼病院での戦いが始まって間もない頃のことだ。

ある夜、72歳の男性患者が心筋梗塞で運び込まれてきた。僕と峰先生は必死に蘇生を試みた。心臓マッサージと人工呼吸を繰り返し、何とか命を繋ごうと懸命だった。

そんな中、司馬がのっそりと現れた。彼は一瞥しただけで「助からねえよ」と冷たく言い放った。その言葉に僕は激しい怒りを覚えたが、今は目の前の患者に集中するしかなかった。

しかし、どれだけ努力しても心電図のモニターは反応を示さなかった。僕は深い挫折感に襲われた。命を救えなかった無力感が胸に重くのしかかった。

だが、事態は思わぬ方向に進んだ。突如として、この患者の今後の対応について会議が開かれたのだ。そこで司馬は、なんと手術を主張し始めた。僕は耳を疑った。明らかに亡くなっている患者に手術だって?

僕は即座に猛反対した。大槻先生も危険だと訴えた。しかし、司馬は聞く耳を持たなかった。彼の目には異様な光が宿っていた。それは純粋な医療への情熱ではなく、何か別のものに見えた。

この瞬間、僕は決意した。司馬の非人道的な行為を阻止しなければならない。患者の尊厳を守り、真の医療を実践するためには、彼と徹底的に戦う必要があるのだと。

医療とは何か。人の命とは何か。倫理とは何か。これらの問いが僕の心の中で渦巻いた。しかし、一つだけ確かなことがあった。僕は、どんなことがあっても患者のために全力を尽くすということだ。

この日以降、僕と司馬の対立はさらに深まっていった。しかし、僕の決意は揺るがない。正義を胸に、これからも真の医療を追求し続けるのだ。

【振り返れば奴がいる】ネタバレあらすじ第3話「追いつめる」

僕は石川。天真楼病院での闘いが日に日に激しさを増していく中、ついに重大な局面を迎えることになった。

司馬の非人道的な行為を正すため、僕は彼の懲罰委員会の開催を提案した。その日、会議室は緊張感に包まれていた。中川先生、大槻先生、峰先生、そして稲村さんまでもが集まり、さらには患者たちも詰めかけていた。

僕は震える心を抑えながら、司馬の罪状を明らかにした。患者の心臓が再び動き出したにも関わらず、司馬はそれを隠そうとした。さらに、峰先生に心電図を切るよう強要し、患者を見捨てようとしたのだ。これは医師として、人間として、絶対に許されない行為だ。

しかし、司馬の態度は相変わらず傲慢だった。「何もしていない」と開き直り、峰先生の証言さえも「そんなことを言った覚えはない」と否定した。彼の冷徹な目つきに、僕は怒りで体が震えた。

大槻先生は司馬に有利な証言をした。彼女の言葉に、一瞬だけ不安が僕の心をよぎった。しかし、真実は必ず明らかになる。そう信じて、僕は決定的な証拠を提示した。

その瞬間、会議室の空気が一変した。司馬の表情が崩れ、周囲からはどよめきが起こった。僕は胸の高鳴りを感じながら、正義が勝つことを確信した。

この日の出来事は、僕にとって大きな転機となった。医療の現場で起こる不正や非人道的な行為と戦うことの難しさ、そして同時にその重要性を痛感したのだ。

患者の命と尊厳を守るため、そして医療の本質を貫くため、僕はこれからも闘い続ける。たとえ道のりが険しくても、真の医療を実現するまで、決して諦めない。

この病院を、患者のために全力を尽くす医師たちで満たすこと。それが僕の新たな使命となったのだ。

【振り返れば奴がいる】ネタバレあらすじ第4話「亡くなりたがる患者」

僕は石川。天真楼病院での日々は、医療の本質を問い続ける戦いの連続だった。そしてこの日、また新たな難題が僕たちを待ち受けていた。

豊間商事の社長、豊間さんが緊急搬送されてきた。診断の結果、動脈瘤破裂の危険が迫っていた。即座に手術が必要な状況だ。しかし、ここで思わぬ障害が現れた。

豊間さんの秘書、宇崎さんが強硬に手術を拒否したのだ。「今夜6時から大事な打ち合わせがある。社長が出ないと困る」と言い張る。僕は呆れ返った。人の命より仕事の方が大切だというのか。

平賀先生は困惑し、司馬に相談を持ちかけた。そして、驚くべきことに、宇崎さんは金を差し出したのだ。僕は目を疑った。患者の命を金で売り買いするなんて、あってはならないことだ。

しかし、司馬は条件付きで豊間さんの外出を許可した。僕は激しく反対した。患者の安全を第一に考えるべきだ。そう主張し、直接豊間さんと話をして説得しようとした。

豊間さんは「私が出かけないと会社がつぶれる」と言い張った。僕は必死に説得を試みたが、結局、豊間さんは強引に病院を出て行ってしまった。

この出来事は、僕の心に重くのしかかった。医療と社会の現実、そして人間の欲望。これらが複雑に絡み合う中で、医師として何を優先すべきか。答えは明確だ。どんな状況でも、患者の命と健康を第一に考えるべきだ。

しかし、現実はそう単純ではない。社会的地位や経済的な圧力が、時として医療の本質をゆがめてしまう。これと戦うことも、医師としての大切な使命なのだと、僕は強く感じた。

この日以降、僕はより一層、患者の立場に立って考え、行動することを誓った。たとえ相手が社長であろうと、たとえ金で誘惑されようと、医師としての信念を曲げるわけにはいかない。

真の医療とは何か。その答えを求めて、僕はこれからも闘い続ける。患者の命を守ること、それが僕の揺るぎない使命なのだから。

【振り返れば奴がいる】ネタバレあらすじ第5話「致命的な失敗」

僕は石川。天真楼病院での日々は、まさに激動の連続だった。そして今回、僕は思いもよらぬ事態に直面することになった。

僕が参事に抜擢されたのだ。正直、複雑な気持ちだった。自分の努力が認められたという喜びはあったが、同時に大きな責任も感じた。そして、司馬の反応が気になった。彼は表面上は無関心を装っていたが、内心では面白くないはずだ。

そんな緊張感漂う中、僕が当直の夜、突如としてガス漏れ事故の被害者たちが大量に運び込まれてきた。中川先生、司馬、大槻先生も応援に駆けつけた。僕たちは重症者から順に応急処置を施していった。

僕と司馬は、重傷患者二人の手術を担当することになった。緊急事態の中、互いの技量を競い合うような状況に、僕は身が引き締まる思いだった。

しかし、その裏で悲劇が起きていた。軽症と思われた老婆のモエ子さんと小学生の順一君が後回しにされてしまったのだ。モエ子さんは早く帰りたがっていた。僕は「もうちょっと待ってください」と謝罪しながら、必死に手術に集中した。

やっと手術が終わり、ほっとした瞬間、恐ろしい事実が発覚した。順一君が足を押さえて苦しみ出し、モエ子さんの容態も急変したのだ。僕は血の気が引く思いだった。

診断ミスだ。僕は軽症だと判断してしまった。その結果、適切な処置が遅れてしまった。モエ子さんは亡くなってしまった。僕の中で何かが崩れ落ちる感覚があった。医師として、人間として、最も恐れていた事態が起きてしまったのだ。

この出来事で、僕の参事昇格は白紙に戻された。しかし、それ以上に僕を苦しめたのは、自分の判断ミスで患者を死なせてしまったという現実だった。

医師として、人の命を預かることの重さを、僕は身をもって痛感した。どんなに忙しくても、どんなに疲れていても、一瞬の油断も許されない。全ての患者に対して、常に最善を尽くさなければならない。

この経験は、僕の医師としての在り方を大きく変えた。より謙虚に、より慎重に、そしてより熱心に患者と向き合うことを誓った。

人の命を守ることの難しさと尊さを胸に刻み、僕はこれからも医師としての道を歩み続ける。たとえ挫折があっても、決して諦めない。それが、この悲劇から学んだ最も大切な教訓なのだから。

【振り返れば奴がいる】ネタバレあらすじ第6話

僕は石川。診察ミスで患者を亡くしてしまった後、深い自責の念に苛まれていた。参事昇格の話も白紙に戻り、心身ともに疲れ果てていた。

そんな中、思いもよらぬ展開が待っていた。司馬が患者の息子と話し合い、金銭で解決したというのだ。僕は激しい憤りを覚えた。人の命を金で解決するなんて、医療の本質から完全に外れている。

しかし、事態はさらに悪化した。司馬が僕の代わりに参事に昇格することになったのだ。病院中に、司馬が裏で小細工をしたという噂が広まった。僕は怒りと無力感で仕事が手につかなくなった。

稲村さんの勧めで人間ドックに入ったが、心は晴れなかった。そんな折、平賀先生が司馬を階段で突き飛ばすという事件が起きた。司馬は右手をねんざし、一時的に手術ができない状態になった。

そして、人気タレントが緊急入院。手術が必要な状況だった。しかし、司馬は怪我で、僕は精神的に追い詰められ、どちらも手術ができない。この非常事態に、僕は自分の弱さを痛感した。

でも、ここで諦めるわけにはいかない。僕は医師だ。人の命を救うために、この病院にいるんだ。たとえ挫折があっても、たとえ周りが不正だらけでも、僕は自分の信念を貫く。

この経験を通じて、僕は改めて医師としての使命を再確認した。患者のために全力を尽くすこと。それが僕の責任であり、誇りだ。

司馬の昇進や、彼の不正な手段に対する怒りは確かにある。でも、それ以上に大切なのは、目の前の患者を救うことだ。僕は再び立ち上がる。今回の挫折を糧に、より強く、より慈愛に満ちた医師になると誓う。

真の医療とは何か。その答えを求めて、僕はこれからも歩み続ける。たとえ道のりが険しくても、決して諦めない。それが、医師・石川玄の覚悟だ。

【振り返れば奴がいる】ネタバレあらすじ第7話

僕は石川。人間ドックで検査を受けた結果を待っていた。そんな中、衝撃的な事実が明らかになった。僕は悪性の胃がんだったのだ。

しかし、中川先生は僕にこの事実を伝えないよう、司馬、大槻先生、峰先生たちに頼んでいた。彼らの態度の変化に、僕は何か隠されていることを感じ取っていた。

平賀先生が、別の患者の胃潰瘍のレントゲン写真を見せ、僕には胃潰瘍だと告げた。再検査を勧められ、僕は素直に従った。しかし、自覚症状や周囲の様子から、自分はがんなのではないかという疑念が湧き上がってきた。

峰先生は必死に否定しようとしたが、その必死さがかえって僕の疑いを深めた。医師として、患者として、真実を知る権利がある。しかし、なぜ皆は僕に本当のことを言わないのだろうか。

そんな中、がんを告知された佐岡さんが、生きる証としてクラリネットのコンサートを開くことになった。彼の姿を見て、僕は深く考えさせられた。生きることの意味、死と向き合うこと、そして医師としての在り方。

僕は決意した。たとえがんだとしても、医師として、人間として、全力で生きていこう。真実を知ることを恐れず、むしろそれを力に変えていこう。

そして、患者の立場に立って考えることの重要性を、身をもって学んだ。告知の是非、その方法、そして告知後のケア。これらは全て、患者の人生に大きな影響を与える。

医師として、僕はこの経験を活かし、より深い 共感を持って患者に接していこうと心に誓った。生きることの尊さ、そして医療の本質を、改めて強く感じた瞬間だった。

たとえ自分の命が危険にさらされていても、僕は医師としての使命を全うする。それが、僕の生きる証になるのだから。

【振り返れば奴がいる】ネタバレあらすじ第8話

僕は石川。中川先生から正式にがんを宣告された。衝撃的な事実を受け入れるのに時間がかかったが、すぐに手術が決まった。医師として、そして今や患者として、僕は複雑な心境だった。

しかし、僕の手術の前に、外科部総出の大手術が予定されていた。体外肝切除という高度な手術だ。僕も参加することになり、自分の病気のことは一旦脇に置いて、この難しい手術に全力を注ぐことにした。

その頃、中川先生の様子がおかしかった。部長室で険しい表情を浮かべ、右手が震えているのだ。そこへ大槻先生が顔を出し、中川先生は重大な告白をした。かつて手術ミスをした際、その責任を司馬に押し付けたというのだ。

この事実に僕は愕然とした。中川先生への尊敬の念と、司馬への複雑な感情が交錯する。しかし、今は目の前の手術に集中しなければならない。

一方、司馬は病院の購入希望品リストを作成していた。全てオットー社の製品だ。僕は不審に思い、司馬がリベートをもらっているのではないかと中川先生に詰め寄った。しかし、確たる証拠はない。

この日、僕は医療の世界の複雑さを痛感した。技術的な挑戦、倫理的なジレンマ、そして人間関係の難しさ。これらが絡み合う中で、僕たち医師は日々判断を迫られているのだ。

自分のがんと向き合いながら、他の患者の命を救う。この矛盾した状況に、僕は医師としての使命を改めて感じた。たとえ自分が患者の立場になっても、医師としての責任は変わらない。

そして、中川先生の過去の過ちや司馬の疑惑など、病院内の闇にも向き合わなければならない。真実を追求し、正しい医療を実践すること。それが、僕の残された時間で成し遂げたいことだ。

がんという試練を前に、僕は決意を新たにした。命ある限り、医師として、人間として、全力で生き抜こう。そして、この経験を通して得た洞察を、これからの医療に活かしていこう。

これが、医師・石川玄の新たな闘いの始まりだ。

【振り返れば奴がいる】ネタバレあらすじ第9話

僕は石川。ついに購入委員会の日を迎えた。司馬の不正を暴くチャンスだ。しかし、事態は予想外の展開を見せ始めた。

中川先生の様子がおかしい。何か考えがあるようだ。そして、驚いたことに司馬から渡された金を返したという。これはいったいどういうことなのか。

僕は、オットー製薬の星野さんを問いただした。「裏で取引があったんでしょう?」と。しかし、星野さんは怒って否定した。その後、彼女は司馬に話を持ちかけた。すると司馬は「部長がこっちについている限り間違いない。もっと金を用意しろ」と言い放った。

そして司馬は、その金を平賀先生に渡し、中川先生に持っていくよう命じた。しかし、中川先生はそれを受け取らなかった。一体、何が起きているのか。僕の中で疑念が渦巻いた。

ついに購入委員会が始まった。緊張感が会議室を包む中、中川先生が衝撃の証言をした。司馬とオットーの間に特別な関係があると。そして、星野さんも同様の証言をしたのだ。

僕は胸が高鳴るのを感じた。ついに司馬の不正が明るみに出る。正義が勝つ瞬間だ。

しかし、司馬は追い詰められながらも、まだ何かを企んでいるようだった。彼の目に宿る光は、決して諦めてはいないことを物語っている。

この瞬間、僕は医療の世界の複雑さを痛感した。正義と不正、信頼と裏切り、そして人間の欲望。これらが複雑に絡み合う中で、真の医療とは何かを問い続けなければならない。

たとえ司馬が追い詰められても、これで全てが解決するわけではない。むしろ、ここからが本当の戦いの始まりだ。病院の体質を変え、患者のための医療を実現するには、まだまだ長い道のりがある。

僕は決意を新たにした。がんと闘いながらも、この病院を、そして医療の世界を変えていく。それが、医師・石川玄の使命だ。

真実の追求と、正義の実現。そして何より、患者のための医療。これらを胸に刻み、僕はこれからも闘い続ける。たとえ道のりが険しくても、決して諦めない。それが、僕の生きる証になるのだから。

【振り返れば奴がいる】ネタバレあらすじ第10 話

僕は石川。病院での闘いが佳境を迎える中、新たな悲劇が起きた。がん患者の笹岡さんの容態が急変したのだ。

司馬が緊急手術を行ったが、もう手遅れの状態だった。笹岡さんの妻・房江さんと娘の波子さんが呼ばれた。その瞬間、僕は医師としての最も難しい判断を迫られた。

司馬は「早く楽にしてやった方がいい」と主張した。しかし僕は、最後まで手を尽くすべきだと考えた。本人と家族の意思に反した安楽死は殺人だ。そう信じて疑わない。

僕と司馬は激しく対立した。患者の命を前に、私たち医師の哲学の違いが鮮明になった。司馬の冷徹な判断と、僕の患者第一の信念。どちらが正しいのか、答えは簡単には出ない。

そんな中、僕と峰先生が病室を離れた隙に、恐ろしいことが起きた。司馬が笹岡さんのベッドに近づき、劇薬の鎮痛剤を腕に打ったのだ。

僕は激しい怒りと悲しみに襲われた。患者の生命を勝手に絶つなんて、医師として、人間として、絶対に許されない行為だ。しかし同時に、苦しむ患者を前にした時の医師の葛藤も痛いほど分かる。

この出来事は、僕に医療の本質について深く考えさせた。生と死の境界線で、私たち医師は何をすべきなのか。患者の尊厳を守りながら、最善の医療を提供するとはどういうことなのか。

答えは簡単には出ない。しかし、一つだけ確かなことがある。それは、どんな状況でも患者の命と意思を最優先に考えるということだ。

僕は決意を新たにした。司馬の行為を正し、この病院に真の医療を取り戻す。そして、自分自身のがんと闘いながらも、最後まで医師としての使命を全うする。

これが、医師・石川玄の覚悟だ。たとえ道のりが険しくても、決して諦めない。患者のために、医療のために、自分の信念を貫き通す。それが、僕の生きる証になるのだから。

【振り返れば奴がいる】ネタバレあらすじ第11話最終回

僕は石川。ついに全ての真実が明らかになり、司馬は安楽死問題の責任を取って病院を去ることになった。長い闘いが終わりを告げようとしていた。

しかし、運命は皮肉な展開を見せた。僕の病状が急変したのだ。緊急手術が必要な状況に陥った。そんな中、大槻先生が司馬に手術を頼みに来たと聞いた。

「オレは病院を辞める人間だ。それに助からない人間の手術はしない」と司馬は冷たく断ったという。その言葉を聞いて、僕は複雑な思いに駆られた。怒りと失望、そして何か言いようのない感情が胸の中でぶつかり合う。

しかし、大槻先生の必死の説得で、司馬はようやく手術を引き受けてくれたらしい。僕は困惑した。あれほど対立してきた司馬に、自分の命を預けることになるなんて。

峰先生が手術承諾書のサインを求めに来た時、僕は躊躇した。「あいつに助けてもらいたくない。死んだ方がましだ」と言ってしまった。しかし、峰先生の「自分を大切にして欲しい」という言葉に、僕は心を動かされた。

そして、手術前に司馬と会う機会を得た。「死にたくない。君を信じている」と伝えると、司馬は「助かる確率はゼロだが、俺が医師として10%まで引き上げる。お前は患者として20%まであげてくれ」と答えた。

手術は成功し、僕は意識を取り戻した。司馬と握手を交わした瞬間、長年の確執が溶けていくのを感じた。しかし、それも束の間。突如、肺梗塞を起こし、僕の意識は再び遠のいていった。

最後に見たのは、必死に心臓マッサージをする司馬の姿だった。彼の目に、これまで見たことのない必死さと悔しさが浮かんでいた。

僕は石川。医師として、そして一人の人間として、最後まで真摯に生きようとした。たとえ死が訪れようとも、医療の本質を追求し続けた。そして、最大の敵だと思っていた司馬との和解。それが僕の人生の締めくくりとなった。

医療とは何か。人の命とは何か。これらの問いへの答えを胸に、僕は静かに目を閉じた。

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