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光る君へ第29回あらすじと少しのネタバレ
私、紫式部こと藤原まひろの目を通して、宮中の渦巻く情念と、文学への情熱が交錯する物語をお届けします。
宮中の儀式から戻った夫・宣孝の口から、一条天皇の憔悴ぶりと道長の復活を聞き、胸が締め付けられる思いでした。かつての輝きを失った宮中。それでも、愛する夫と娘・賢子との穏やかな時間は、私の心を癒してくれます。
そんな折、親友のききょうが「枕草子」を持って訪ねてきたのです。定子様の思い出が綴られたこの書を読みながら、私の胸は熱く高鳴りました。定子様の華やかな一面だけでなく、その影の部分まで、全てを知りたい。その思いが、私の中で燃え上がったのです。
父・為時の再任問題は、私たち家族を苦しめました。しかし、突然の悲劇が私たちを襲います。夫・宣孝の急逝。悲しみに暮れる中、道長からの申し出が舞い込みます。父に道長の嫡男・田鶴の指南役を依頼するというのです。
経済的困窮に陥った私たちを案じ、私は父に懇願しました。「お父様、どうかこの申し出を受けてください」と。父の渋る様子に、私の決意はさらに固まります。娘・賢子の未来のために、私は母として強くならねばならない。
そして、私自身の物語への情熱も、静かに、しかし確実に燃え上がっていきます。賢子に物語を読み聞かせながら、私の中で「源氏物語」の構想が膨らんでいくのを感じるのです。
宮中の権力闘争、家族の苦難、そして文学への情熱。この渦巻く感情の中で、私・紫式部は、一人の女性として、母として、そして作家として、新たな一歩を踏み出そうとしているのです。
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